第1回いきものにぎわい市民活動大賞
「いきものにぎわい企業活動コンテスト」は、企業の生物多様性保全活動を対象としたコンテストではありますが、企業活動のみではなく、市民活動も、重要かつ必要不可欠なものであるという考えのもと、日頃から市民活動に対し、支援をしている当コンテスト各協力団体である、(財)損保ジャパン環境財団、(財)日立環境財団、公益信託富士フイルム・グリーンファンド、ローソン緑の募金により高く評価された活動に対し、表彰第2部の場を活用し、紹介をさせて頂くものです。

各受賞者は、以下の通りです。

第1回いきものにぎわい市民活動大賞 受賞結果発表
● 損保ジャパン環境財団賞
特定非営利活動法人アサザ基金
 愛(あきた・いばらき)ニコニコ(ニ湖二校)夢未来交流プロジェクト 〜河童と龍の大交流会〜
子どもの特性(共感性・想像力)を活かして流域の自然再生に取り組む茨城県霞ヶ浦流域児童と秋田県八朗湖流域児童に対し、先進事例の課題や現状を知ることで自地域の自然再生・生物多様性保全に役立つ経験を提供するプロジェクト。
本プロジェクトでは、八朗湖流域で自然再生「環八郎湖・流域の未来プロジェクト」に取り組む児童を、霞ヶ浦流域の自然再生に取り組む茨城県の児童が招待。霞ヶ浦・北浦の現状や課題を学ぶと共に、霞ヶ浦流域の自然再生・生物多様性保全に取り組む「霞ヶ浦・北浦アサザプロジェクト」(市民型公共事業)の現場を見学、現場に関わる人々との交流を行った。
● 日立環境財団賞
NPO法人 日本ウミガメ協議会
 ウミガメの保全と市民ネットワーク
ウミガメ類は近年著しく減少していると言われている。日本の海岸線は、北太平洋で最も重要なアカウミガメの繁殖場であり、今でも西日本の太平洋側を中心に全国各地で産卵がみられる。「NPO法人 日本ウミガメ協議会」は、日本各地で保全活動を行う個人や団体の情報交換を円滑に行う媒体となることでウミガメ類の保護・研究を進めようという目的で設立された。そして、ウミガメのみならず、その生活の場である海浜や海洋の保護・保全により生物多様性に寄与している。本団体の大きな特徴として、ウミガメの研究者だけではなく、市民や行政、漁業者など多くの人と連携をとり幅広い活動していることが挙げられる。
● 富士フイルム・グリーンファンド活動奨励賞
財団法人 水島地域環境再生財団
 身近な地域・自然を学ぶ環境学習の教材化とプログラムの構築
みずしま財団では、1999年から、岡山県倉敷市の南部、水島地域を流れる八間川を住民にとって親しみやすい空間にしたいという思いで、水質や生きものに関する調査を年4回行ってきた。本事業では、こうした活動を、地域の様々な団体や学校でも実践できるように広げていくため、八間川を中心に身近な地域の自然環境や歴史などを学ぶ教材と指導者向けガイドブックを作成した。教材の作成にあたっては、これまでの調査のノウハウや結果を活かし試作版を作成。その後、試作版に対し、地域の小・中学校、高等学校の教員、行政職員からアドバイスをもらい、より実用性の高いものを作り上げ、地域の学校等に活用してもらっている。
伊豫部 勉 (北九州市立大学)
 九重タデ原・坊ガツル湿原における火入れによる土壌環境改変の実態とその効果の検証
大分県西部、九重火山群に位置する九重タデ原・坊ガツル湿原を対象として、年1回、早春に地域住民らの手によって実施される火入れが、湿原内の環境改変および湿原植生を維持する上でどのような効果をもたらすのかを水・物質循環の応答から検知することを目的として、火入れが植物群集構造や泥炭土壌の化学的特性に及ぼす影響、さらに火入れによる湿原からの無機塩類の流出量の時間的変動について調査を行った。その結果、火入れは植被を燃やす程度の表層火であったが、火入れによる湿原からの物質流出量は、火入れ後20時間を経過した頃から増え始め、人為的な火入れによって湿原から無機塩類が流出する現象が認められた。
倉渕ほたるの会
 公園管理と蛍の養殖
農村なら当たり前の風物詩だったホタルを見たことがない子供たちがいることにショックを受け、平成10年6月、「倉渕ほたるの会」を立ち上げた。以前ホタルの生息地だった河川敷を当時の建設省に借受け、土を運び、植樹・植草をして、文字通り住民手作りの公園が出来上がった。水路の灰汁の抜けるのを待ってカワニナを放流し、1年待った結果、初めてホタルが舞った時には、会員の皆で安堵した。今では四季の花を個人・団体からの寄付を頂き、年間を通し楽しめる公園になり、シーズン中に来訪者は千人を数えるまでになった。これからは地域の子供たちにもっと環境に対する興味を持ってもらうために学校と連携してカワニナの養殖等をしていこうと思っている。
阿部晴恵 (東北大学)
 ヒサカキの種子散布にかかわる生物間相互作用が三宅島の森林生態系回復に果たす役割
2000年の噴火によって森林の多くが破壊された三宅島において、火山ガスに対する耐性が強く噴火の高被害地域においても繁殖活動を行っている植物ヒサカキの存在は、その森林生態系の回復にとって重要な役割を果たすと考えられる。そこで本研究では、本種とその繁殖に関わる生物間相互作用が、三宅島の森林生態系回復に果たす役割を評価した。その結果、高被害地域でも昆虫による花粉媒介及び鳥類による種子散布系は維持されていることが明らかになった。また、鳥類の糞には調査地で確認されていない種子も含まれ、これは噴火の影響が少ない地点から運ばれたものであり、ヒサカキの存在が高被害地域への種子散布を誘引している可能性が示唆された。
高野瀬 洋一郎 (新潟大学)
 休耕田を利用した湿生植物群落の回復
水田環境の改変や湿地の消失によって生育が脅かされている湿生植物の再生を目的に、国内有数の水田地帯である越後平野の休耕田において、湛水管理と土壌耕起を行った。湛水した休耕田に出現する植物の種組成は、周囲の休耕田と異なり、湿生植物の占める割合が高くなった。湿生植物の種類数は湛水期間によって異なり、長期間湛水した休耕田で著しく減少した。湛水2年目以降に大型の湿生多年草が出現し、種組成は劇的に変化した。ミズアオイほか数種の絶滅危惧植物が土壌耕起を行った場所のみに出現した。湛水期間や土壌耕起の有無に加え、それらの実施年数に配慮することで、時空間的に多様な湿生植物の再生が可能である。
● ローソン緑の募金賞
【募金事業部門】
特定非営利活動法人つくば環境フォーラム
 筑波山麓・霞ヶ浦水源の森づくり
特定非営利活動法人つくば環境フォーラムは、「自然と人との共存」をテーマに筑波山地域及び茨城県南の里山地域の自然環境を推進し、自然体験プログラムやボランティア養成等の環境教育を通して環境保全を担う人材の育成を目的に活動している。
耕作放棄畑や荒れた里山の整備をすすめ、雑木林の成林を目指すため、クヌギ・コナラ・ヤマザクラ等広葉樹の植樹を行っている。継続的に活動するボランティアを獲得するための体験型森林ボランティア講座も開催している。人による里山の手入れが豊かな水を育み、生物多様性保全にも寄与することを、体験を通して参加者に学んでいただいている。これらの活動の継続により里山の整備が進み、整備を行った地区においては、かつての美しい里山の景観が戻り、地域のみなさんから大変感謝されているとのこと。
【学校緑化部門】
滋賀県立甲良養護学校
 果樹の並木道
滋賀県立甲良養護学校は、「地域の人々とのふれあいネットワークと自然を大切にしよう」をテーマに教育活動を行っている。 生徒と地域ボランティアのみなさんがスクール農園で共に働く、交流共働作業体験の場として、リサイクル肥料を活用した野菜の栽培や花壇づくりを推進している。 今回は、地域ボランティアのみなさんと共に1年間かけて、山積みとなった枯れ草や土ふるい後の残土で覆われた、体育館横と農場周囲のフェンス沿いの一画を「果樹の実りと収穫」が楽しめる新たな地域交流の場「果樹の並木道」として整備した。 学校と地域ボランティアのみなさんが一体となりこの事業に取り組んだことで地域交流の輪を広げることができたモデル的な活動。